東京オリンピック(五輪)・パラリンピックを巡る汚職事件が、札幌市がめざす2030年冬季五輪の招致に暗い影を投げかける。国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が日本側と距離を置く動きが最近目立つ。それでも、「札幌有力」説は根強い。
トップ選手と約1万5千人の市民ランナーが朝の国立競技場を駆けた。
東京大会の開催1周年を記念するイベント「Thank you Tokyo!」が16日、東京・国立競技場であった。午前8時、レガシーハーフマラソンのスタートを、東京大会に携わった関係者が見守る。しかし来日する予定だったIOCのバッハ会長の姿は、なかった。
IOCに質問すると、「スケジュールの都合」とし、「代わりに日本のIOC委員が出席する」との素っ気ない返答だった。
バッハ会長は9月中旬にも、秋元克広・札幌市長とスイス・ローザンヌのIOC本部で面会する予定を直前にキャンセルした。
表向きは「日程の調整がつかなかった」。だが、調整は済んでいた。バッハ会長が「東京大会の汚職事件が騒がれているタイミングで会うのはマイナスでしかない」との側近の助言を受け翻意したのが真相だ。
一見、疎遠にも映るバッハ氏の行動は、実はIOC、そして札幌招致へのダメージを少なくするためのリスクマネジメントに映る。9月下旬に来日して関係者と会った際の様子が、それを物語っている。
「バッハ氏、五輪疑惑の捜査に強い関心」
2030年大会の招致を目指す秋元克広・札幌市長は、国際オリンピック委員会(IOC)の動きについて、最近の朝日新聞のインタビューでこう話した。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル